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Sony Reader を買う前のおっせっかいなアドバイス [情報端末]

前回、電子書籍ユーザーは、主に既読本を読み尽くすか、平易な本に流れる、と述べました。新規にReader購入希望者は、電子書籍市場にあまり期待しないほうが良いです。要は、Sony Readerは、私のように、好きな本を購入時に30冊、後は新しい本を月に数冊読めれば良い、という人にしかお勧めできません。・・・自炊する人は別です。


1. 購入傾向の例・・私の場合
私の場合、Sony Reader購入時に、あちこちの電子書籍のラインアップを確認し、既読書を中心に20~30冊購入しました。今は、電子書籍の新刊書をチェックし、リアル書籍店で気になる本を捜したり、他の人の推薦する本があれば購入する、という流れで、月に数冊程度です。これは、現状、電子書籍市場に本が少ないためです。本当に品揃えが少ないんですよ。
それを、前記事の「電子書籍の購入傾向」にあてはめると、こうなります。


(1)既読本やその続刊を購入する
私の場合、30冊程度しか見つけられませんでした。
ビジネス書や実用書はほぼ全滅です。新書も新刊本はともかく昔の岩波や中公新書はありません。
では、文芸書はどうかというと、前回のべた岩波文庫はもちろん、ハヤカワ・創元推理文庫なども全滅です。アシモフやハインラインなどはほぼ見当たりません。親父のお下がりで愛読した「火星」シリーズなどは、武部画伯ではないバージョンです。(これに限らず、版権の関係でしょうが、グーテンベルグは一般的な版をわざと避けている節があり、ちょっと野暮が過ぎます。訳者によってニュアンスが違うのは仕方ないですが、記憶している有名な台詞と違うのは少し悲しいです。)

(2)実績ある著者の著作を水平展開して購入する
私的に気になる著者の本が意外とないのです。これを機会に、司馬遼太郎でも読もうかと思ったら無い、塩野七海もない、山本七平はマニアックだから仕方ないとしても・・・。業者も一所懸命に拡充しているようですから、いずれ時間が解決すると願っていますが・・・。
また、なかなか新刊に追いつかず、リアルは12巻だけど電子書籍は9巻といった具合もあります。

(3)人の薦める本を購入する
最近、ビジネス書を中心としたお勧め本を語る書籍を2冊購入し、彼らのお勧めをSony Reader Storeでざっと検索してみたのですが・・・50冊位の中で、たった3冊見つけました。購入しやすい新書文庫などを中心に探したのですが、このざまです。「そもそも「もしドラ」があってドラッカー自体がないって変だ」という指摘がありましたが、ほんとうにその通りです。


(4)購入のハードルを思いっきり下げ、読める本を購入する
ここが思案のしどころで、私はまだやっていません。だって、私の目的は、あくまで面白くためになる本を読むことであって、Sony Readerで読むのが目的ではないのです。新しい発見もあるかもしれませんが、前記事のように見当を付けるのがとても非効率的です。
新刊も、一部の少数派にスポットライトが浴びている傾向があり(穏健な表現)、リアルな書店の割合を反映しているとは思えません。ユーザー層が思いっきり違うのでしょう。週末の新刊発表で毎回「これじゃあ・・」とため息をついています。

以上、自炊する人以外は、だいたい思い知らされる道のはずです。


2.購入先の変遷

Sony Reader購入当初は、プロテクト無し形式の本を扱っているネット書店を探して購入し、Sony Reader Storeからの購入はそこだけしか購入できない本(ビジネス書など)で数冊に留めていました。

でも、新刊チェックがメインとなった今では、どうでも良くなってきました。今でもビットウェイブックスや、パピルスはチェックしますが、同じ卸を通しているためか、ほぼ同じ品揃えです。そして、気の利いた本はDRM付きが多く、それに対応してパブリもDRM化してReaderでは使えなくなりました。もうSony Reader Store だけに絞ってもいいか、の心境です。

Sony Readerが無くなっても、書籍資産が流用できるようにと、DRM無しの本を探していたのですが、それに費やす労力とメリットを比較すると、もうSony Readerと一蓮托生でも良いかなぁと達観してきたのです。書籍資産とはいってもたかが50冊位ですしね。今後100冊になる前には、電子書籍リーダーの動向が明らかになっているでしょう。Kindleが制するか、Sony Readerが生き残るか、がね。その時までに100冊の本を十分に堪能すれば、元はとれるでしょう。

ただ、Sony Reader Storeも、(悪いとはいいませんが)あっち系の小説やコミックが多くなったため、新刊チェックが面倒になってきました。.book形式が使えることとのトレードオフですから、甘受せねばならないのですが・・・。


3.iPad2との差別化
雑誌、コミックは圧倒的にiPad2が便利です。これらは、熟読することもないし、外出先で読みたいとも思わないので、液晶でデカイiPad2でもOKなのです。逆に、でかい画面だからこそ、雑誌もコミックも読み応えがあります。ですから、これが中心の人は、iPad2を買いましょう。
テキスト中心の書籍は、やっぱReaderですね。目が疲れるせいもあるのでしょう、本能がiPad2での購入をためらわせます。



要は、今後新しくSony Readerを買う人は、上のような状況を知った上で買ったほうが良いよ、という既ユーザーからのアドバイスでした。ちょっとネガティブ気味ですが、でも私は楽しんでいますよ。
タグ:Sony Reader
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電子書籍ユーザーの購入傾向を考える [情報端末]

半年間、電子書籍を読んできて、感じたことがあります。それは、電子書籍は、「閲覧性の不足」のため、既読本や易しい本に流れがち、ということです。いずれ、ハードの進化や、使用者の慣れで、この傾向が改善されることを、願っております。果たして、ソニーは、新型Sony Readerで、どこまで状況改善に取り組めるのでしょうか?

どこまで使い勝手が良くなるか?期待の新型T1

■電子書籍の2番目の大きな課題・・閲覧性
Sony ReaderとiPad2を使用して痛感したのが、皆さん周知の「電子書籍の質量の少なさ」の次に、「閲覧性の悪さ」でした。ここでの閲覧性とは、次の3つです。

購入前に、
  (1)面白そうな本をみつけにくい
  (2)試し読みで内容を確認しにくい 
購入後に、
  (3)読んでいる本の全体像が把握しにくい

すなわち、

(1)面白そうな本を見つけにくい
昔ながらの「書店の本棚や平積み本から、面白そうな本を幾つかピックアップする」という方法が、パソコン画面の電子書籍サイトでは、苦手です。スクロールして20冊程度ですからね。各サイトは、他人のリコメンドやら、同じ傾向の本を紹介するなど、いろいろ工夫していますが、リアル書店には到底かないません。
つまり、電子書籍サイトで、新しく面白そうな本を見つけることは意外と難しいのです。

(2)試し読みで内容を確認しにくい
うまく面白そうな本を見つけても、内容確認が気軽にできません。「アタリを付けた本をサッと手にとってパラパラと内容を確認して、ピンときたら買う」方法が、文字通りできないからです。

まず、現行SonyReaderでは Web上で中身を確認することはできません。一部のサイトでは、ダウンロードして読むという「試し読み」ができますが、現行Sony Readerでは、パソコン経由なので非常に面倒くさいです。

新型のSony Readerは、Wifi/3G機能付きですから、Reader Store単独で、試し読みができるのでしょう。ただ、反応速度は心配です。ただ、既存機のユーザーとして、Wifi機能の使い勝手や、反応速度の改善がそれなりであれば、買っちゃうかもしれません。ちなみに、iPad2では、iPad2だけで試し読みできるサイトがあり、反応速度も上々です。

しかし、試し読みを気軽にできたとしても、まだまだリアルの「試し読み」には及びません。普通、書店で本の内容を確認するときは、本をパラパラとめくって、まず「全部を浅く」チェックするのが普通ではありませんか?特に、実用書や学術本などは、全章にわたってどんな論旨展開になるか、私は知りたいです。竜頭蛇尾に終わる本も結構多いですしね。

でも、各電子書籍サイトの試し読みは、、目次と「最初の一部を全部」見せるのが普通です。これで、全体の評価をするのは結構難しいです。小説のように、達人なら最初の書き出しですべてが判る、みたいな分野もあるかもしれませんが・・・・。
すなわち、電子書籍サイトで新しい本、じっくり読むのに値する本を購入するのは、結構面倒なのです。

(3)読書中、全体像が把握しにくい
ようやく購入できても、まだハードルはあります。
内容の入り組んだ本、論理的に少し難しい本や、伏線がバリバリの小説など、前をパラパラと見返し確認することありますよね。でも電子書籍は、特にSony Readerは、それが苦手です。iPad2は、アプリによって、そこそこ出来ますが、やはりリアル本にかなり劣ります。以前のコメントで述べたように、反応速度や、画面の小ささ、一画面しか見られない限界などで、難しいのです。
その結果、本の内容を俯瞰的に把握しにくく、手応えのある本の場合、迷路を懐中電灯で照らしながら歩いている印象があります。
要は、現在の電子書籍は熟読に不向きなのです。


■電子書籍の購入傾向
以上を踏まえると、多くの電子書籍読者は、次のような購入傾向になると思います。といいますか、私はこんな傾向です。

まず、新しい本を見つけるのが大変なので、手近な本に走ります。
 (1)既読本を購入する。または既読本の続刊を購入する。
 (2)読んだ実績のある著者の、別な著書を、著者を信用して購入する。
 (3)人の薦める本を購入する ←(私は現在、ココです)
 (4)購入のハードルを思いっきり下げ、「読める本を購入する」←(多くの人はココかな?)
それでもなかなか本が見つからない、それに、読み応えのある本は無意識に避けるので・・
 (5)内容が水戸黄門的に安心なものを購入する。(コミック・ラノベなど)
 (6)内容が一本調子な、あまり熟読の必要の無い本を購入する。(書き下ろし新書など)
 以下は、人によりますが、どうしても読みたいものを読みたい人は・・・・
 (7)自炊する (腕に覚えのある人専用の強行突破)

(5)(6)の内容はほぼ同じですね。この傾向に出版側も対応していることが、読み応えのある本より、マンガやラノベ、せいぜい書き下ろし新書止まりが電子出版のメジャーになっている現状の、原因のひとつではないかと邪推しております。 (もちろん、最大の障壁は著作権でしょう。難しい本は著作権者も難しいのでしょう)


■ラノベとボーイズラブ多すぎ!
電子書籍の中で、ライトノベル、BLもの、ハーレクイーンロマンスなどの存在感の高さには、当初はびっくりしました。それらを悪いとは言いませんが、リアルの割合とあまりに差がありすぎます。
おそらくそれらの愛好者層と電子書籍を扱える層が重なる、著者や出版社が著作権に寛大、こっそり読みたい需要がある、等の理由もあるのでしょうが、上述の「閲覧性の無さ」をあまり気にしない、電子書籍に向いているジャンルであることも間違いないと思います。
(さいわい、ソニーのReader Storeは一線を画しています。他の電子書籍サイトは、新刊を選びにくいったらありゃしない。)


■ソニーに望むこと
しかし、もちろん、我らがソニーには、今後の電子書籍の為にも、いつまでも現状に甘んじてもらっては困ります。

まずは、ハードの改善、特に反応速度の早さを液晶並みにすることが絶対条件です。それに加え、例えば、左右2画面として、連続ページも、別々なページも見られるようになれば、読書中の閲覧性は飛躍的に増すはずです。左を読みながら、右画面で前のページを参照するとかね。おや、Sony Tablet のPシリーズは2画面ですね。あとは、これを電子ペーパーにするだけ!あっさりクリアできそうな勢いじゃあないですか!

次に、上記(1)(2)(3)を解決するには、私に秘策があります。
岩波書店を買収して、岩波文庫の全部電子書籍化してしまえば良いのです!
電子書籍の悩みは、読むのに値する本を選びにくい、好きな著者が揃っていないことにあるのですから、そんなことに悩ませず、どーんと岩波文庫に委ねさせちゃえばいいんです。どの本も中身を確認しなくても間違いない数十年の歴史のお墨付き!全部モノクロ、図版もほとんどないのでSony Readerにぴったり!衰えたりといえども岩波文庫、その威光で、Reader Storeの格もうなぎ登り!ソニーの株も上がるよ!全国PTAと組めば、組織的な販売も可能!Kindleなんか怖くないさ!
どうでしょう、ソニーさん。映画会社を買収した後は、次はぜひ岩波書店を買収することを強くお勧めします。いや、出資だけでも良いですよ。活字離れの昨今、どうせ岩波書店の経営も楽ではないはずです。(←なんの根拠もない、完全な妄想の産物です。岩波書店さんすみません、なんなら苦境のソニーに出資してやってください。)
これで、当面の良質なコンテンツ確保をし、あとはビジネス書、自己啓発書に向かってください。ラノベなんぞ、DRMの無い他の電子書籍サイトに任せておけばOK。棲み分けですよ!

なんか、だんだん、Sony Readerの夜明けは本当に近いような気がしてきました。(なんとなく、クリエPDAと既視感!?) まあ、少なくとも電子書籍の夜明けは早く来て欲しいものです。(昨年でしたっけ?電子書籍元年って言われていたのは?)




■つけたし
閲覧性がないとか、質量が乏しいとか、電子書籍のイメージの悪いことを書きましたが、それにもまして、前回(少し)述べたような電子書籍のメリットが大きいので、私はずっと使っています。ですから、リーダーの購入を迷っている人はまずリーダーを購入することをお勧めします。新型も出ることだし。
タグ:SonyReader
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Sony Readerの使い勝手、ハード編 [情報端末]

本好きな元ソニー信者なので、ソニーが昨年末に出した電子書籍端末ソニーリーダー(以下Sony Reader)は、すでに半年使っております。最初は6型(PRS-650)、2ヶ月後に5型(PRS-350)も買いそろえたという、信者っぷりです。(^_^;)

ここで、もっぱら移動中の読書、という視点でハード面の使用感を述べます。2台持っていることから判るように、私のような通勤読書派には、長所が短所を上回る、それなりにお勧めの製品です。iPad2も使っていますが、私の用途では、使用感でReaderが優ります。ただ、要所要所で、かつての物作りの精神がなくなっているソニーを垣間見ることができる寂しい製品でもあります。

2台そろい踏み。図版が読みにくいのがわかるでしょうか?2台そろい踏み。図版が読みにくいのがわかるでしょうか?







■総論
電子書籍リーダーのメリットは周知の通りです。何十冊も持ち歩ける、本の保管スペースが不要、家で本を購入できる、文字の大きさが変えられる、本がほんの少し安い、ページを押さえる必要がないので食べながら読書には最高、などなど、多様多彩です。


そんな中、幾つかのハードが発売されていますが、その中で、Sony Readerのハードの私の印象は、「読書へのハードルを、うまく下げている所と、少し高くしてしまった所が混在している微妙なハード」です。
読書習慣はけっこうメンタルなものなので、微妙な違いが大きく作用します。微妙な読みやすさが読書のモチベーションをあげ、わずか数十グラムの軽さが可搬性を大きく向上させ、ほんの数センチの小ささで周囲に違和感をあたえません。しかしその反面、たかが0.2秒の反応の遅さがイライラを増幅し、たった2クリックの手間がやる気を損ねます。ただ、微妙なところで、収支が黒字となっている、それがSony Readerなのです。


■ここが良い
・読みやすい。
電子ペーパーは、本物の紙より劣りますが、iPadのような液晶系より、違和感なく読めます。iPadが読みにくいとはいいませんが、ハードの小ささもあいまって、同じ本ならSonyReaderで読みたいです。この微妙な差が、読書習慣を大きく左右するんですよね。私がガラパゴスを選ばなかった理由でもあります。

・軽い、薄い
私の読書時間の多くは、通勤や移動時間が占めます。その点、軽いSonyReaderの5型なら、ちょっと鞄に放り込む、ということができます。私はそのためだけに、5型を買い増しした愚か者です。逆にiPad2を読書のために常に持ち歩こうとは思えません。ガラパゴスもあの厚さが今ひとつでした。

・目立たない
電車などでは、iPad2は目立つんですよね。SonyReaderなら、あまり他人の注意を引くことなく読書できる(と自分では思っています)。人目を気にしない方なら問題ないかもしれませんが、でも社会的空間のなかでは、変に目立たないこともマナーだと思います。


■ここが悪い
・反応速度が鈍い
ハード面における最大の欠点です。こみいった内容の本だと、読書中に前の内容を素早く確認したり、目次を見て自分の立ち位置を確認したりしたいのですが、それがSonyReaderでは上手くできません。すべてにおいて、ワンテンポ、ツーテンポ遅いのです。機能としては、いちおうあるんです。「目次」「以前のページに戻る」「履歴」とかね。でも、反応の鈍さから、使えないものになっています。

これに、画面の小ささ(一画面で見られる文字量の少なさ)もあいまって、俯瞰して本を把握することが難しい、という結果になります。このへんの、反応速度や画面の広さはiPad2に軍配があがります。

※「これからの正義の話をしよう」というサンデル氏の本を読んだとき、つくづく実感しました。この本は、具体例が細かすぎて、ともすれば「これが何のための具体例なのか」判らなくなるんですよね。SonyReaderとは相性の悪い本でした。

・本体アプリの使い勝手が悪い
本体には機能豊富です。必要な機能はほぼ揃っています。ただ、あまりにも使い勝手が悪いのです。アリバイ的に「必要な機能はついています」的な感じがします。それで、使うとなると、熟成されておらず、反応速度の遅さもあって、実際は全く実用的ではない、といった感じです。

例えば、前項でのべた、目次へのジャンプなど、機能はあるんです。しかし「内容が書いていない目次をみせられても無意味じゃん」。まあ、これは電子書籍化した人が悪いのかもしれませんが。
そのほか、メニュー画面や書籍の順番を自分で整理できない、使えない「辞書」、本のページモードがすぐリセットされる、など気になる点は多々あります。

要は、シンプルに読む以外の機能には期待するな、ということです。


■5型と6型の使い分け
当初、私は少しでも閲覧性を高めるために、最初は6型(650)を購入しました。その後、5型(350)を衝動買いし、今では5型がメインです。つまり、私の場合、可搬性がもっとも重要なポイントだったのです。ポケットに入る/入らない、の差は大きいですね。また、6型の閲覧性の良さも、画面の大きさだけで、反応速度の遅さは同じですし。
でも、家での読書や、長期出張時などは6型を使います。


■無線は必要か
私は気になりませんでした。
それは、私が、中身を確認せずに本を買うのはイヤだからかもしれません。自分の読んだ本を探して購入するならともかく、読んでもいない本を、内容を把握しにくい端末から購入するのは私の趣味ではありません。ここらが、電子書籍の最大の欠点といえます。もし、本屋で買いたい本を見つけ、端末から手軽に電子書籍のあるなしを確認して、端末から購入できるならば、使える機能となるでしょうが、そうなると本屋が迷惑でしょうしね。
新型ではWifi機能が付くようです。ソニーはアメリカでの販売運用経験があるし、Kindleもやっていることなので、大丈夫だとは思うのですが、この反応速度の遅さで、実用に堪えられるのか心配です。


■解像度が600x800と微妙な点
活字の書籍を読む分には問題ありません。困るのは、図版がある本です。多くの図版は、よく見てようやく判る程度で、本来の「一目でわかる」図版の目的を達成できず、見る気をおこさせません。ズームの機能はありますが、前述したようなおざなりのもので、使える機能ではありません。学術書の多くは、この点でSonyReaderには向いていないと思います。
コミックは、個人差があるでしょうが、私はダメです。6型であろうが、この解像度と反応速度では、読む気がおきません。ただ、私の目的はマンガではないので無問題ですが。
ソニーがソニーストアでコミックを売るからには、Reader以外の機械を出す責任があります・・って、今度のソニータブレット(Android)がその役目かな?


■最後に
冒頭に述べたように、私のように、移動時読書が多い人なら、Sony Readerはアリです。後継機も間近なSonyReaderですが、現行機と使用に大差はないようです。しかし、もし反応速度に大きく改善があれば、素晴らしいハードとなる可能性があります。
比べて、iPad2は家庭内読書には向いています。また、雑誌なら間違いなくiPad2の独壇場です。
シャープのガラパゴスは中途半端で、双方の短所を持っている気がしたので、購入する気はおきませんでした。だから、今のガラパゴスの苦境はなんとなく理解できます。


■補足
SonyReaderに限らず、電子書籍の最大の問題は「読める書籍がない」ことに尽きるのですが、これは電子書籍全般の、とてもデカイ問題のようなので、私の手に余ります。いったいどうなるのでしょう?


タグ:Sony Reader
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さよならWillcom03 [情報端末]

img01.jpgPalm難民でH"ユーザーであった私は、W-Zero3(写真左)が出たときに速攻で購入しました。

Palmの宿敵WindowsMobile(以下WM)端末の機能には正直がっかりしましたが、付加された電話機能は、それなりに可能性は感じたのです。その後、W-ZERO3[es]、Advanced W-ZERO3[es]、Willcom 03と買い換えてきました。


しかし、このシリーズは、求めるPDAにはなり得ませんでした。さらに、電話としても使いづらく、電話とPDAの融合もiPod Touchと比べると、全く中途半端であることが判りました。


右下の写真が、W-Zero3の後継、昨年発売のWillcom03です。シリーズ最軽量、Bluetoothとワンセグ搭載、デザインにも優れた機種です。一年間使ってきました。その使い勝手を、我が愛機ながら、振り返ってみようと思います。


willcom03.jpg(1)全体的に・・動作がもっさり
WMのOSの限界なんでしょうか、ボタンの反応、画面の切り替えなどがいちいち遅いです。例えば、受信メールを確認するとき、メール作成画面まで切り替わるのは私だけでは無いはずです。

キーボードを出して縦横画面切り替えにしても、もたつきにストレスがたまります。
ローカルデータ検索も、一応はスケジュールやメモの横断検索ができるのですが、遅い遅い。検索大好きの私でも、使いたいとは思いません。


(2)PDAとして・・使い勝手が悪い
そもそもWindowsMobileの標準画面って、PDAには向かないでしょ。ランチャーを工夫して、何とかOKのレベルです。前述の反応の遅さに、ハードウェアボタンがないWillcom03の構造、画面の小ささによる画面タッチのしにくさが加わって、独特の使い勝手の悪さを生み出しています。
メーカーは独自メニューを工夫していますが、遅いし、カスタマイズしにくいし、機能はそれなりにあるとは思いますが・・。正直、これがPalmの好敵手だったのかと思うと悲しくなります。ビデオ戦争に負けてベータからVHSの軍門に下った知り合いが、VHSの操作性に驚いて電話してきたことを思い起こします。

以前述べたVaioU3のように、機能的にはOKでも、微妙な使い勝手の悪さが、自覚しにくいストレスとなって、結局は使わない、ということがWillcom03でもおきたわけです。前機種のAdvanced ES の方が使い勝手は良かったですが、重くて厚いので、いまさら戻れません。


(3)WMアプリも・・いまひとつ
Palm全盛時代と比べて、国内外でコミュニティが今ひとつだと思います。もちろん、offisnail、クィックメモのような優れたアプリもあるんですけどねぇ。WMのバージョン等で、アプリ作家が的を絞りきれないのも原因なのでしょうか?iPhoneアプリの勃興を見ると、マイクロソフトは真剣に敗因を分析するべきですが、もうその意欲も無いのでしょう。


(4)携帯電話として・・機能不足
電話機本来の機能では、4-5年前のパナソニックのH"(ウィルコムの前身)機種の方が洗練されていました。細かいことですが、リダイヤル、一発発信、アドレス帳、着信音管理などなどです。おそらく現行のdocomoやauユーザーなら貧弱さにびっくりすると思います。
PHSの宿命、通話圏の狭さに慣れっこの私でも、霞ヶ関の高層ビルの窓際で圏外だったのにはびっくりしました。移動時も弱く、新幹線で平気で話す携帯電話ユーザーには、「うるさいなぁ」と思う前に「すげえなぁ」と感心してしまいます。


(5)つまり・・
おそらくウィルコムとシャープはPHSという小国のなかで、最も一般受けする機種しか作れなかったのでしょう。そのため、携帯にもPDAにもなるスマートフォンとして、私にはもっとも中途半端な機種になってしまったのだと思います。

いい点もいろいろあります。ウィルコム同士は完全に無料だし、ネットかけ放題オプションもあるし、音は綺麗だし、キーボードは打ちやすいし、なんといってもスマートフォンの草分けとして、頑張ってきたことには感謝しています。・・・でも、私の欲しい方向性ではないなぁというところです。

以上、10年以上の長きにわたり使って来たH"ウィルコムWZERO3シリーズに敬意を表しつつ、Willcom03への惜別の辞でした

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情報端末としてのiPod Touch [情報端末]

前回からの続きです。
肝心の情報端末+ネット機能を確認しつつの一週間が経ちました。OSは3.0です。で、今の印象は、・・「素晴らしい端末だが、自分の目的には力不足」です。システムも、個々の機能も洗練されており、製品としては見事なんですが、残念ながら、システムとしての検索機能が弱いのが大きなマイナスです。

私の目的は、データを、パソコンと携帯端末で共有化しつつ、端末上で手早く検索し閲覧することです。データは、最低限はOUTLOOKでのスケジュール、アドレス、メモなどです。テキストデータやエクセルデータまでできれば最高です。要は、Google Desktop検索の簡易版が使いたいのです。

この点、iPod Touchは、新OSでSpotlight検索が導入され、各機能を横断して検索できる、という建前にはなっています。でも、現状は、そうではないのが、残念なのです。

以下、個々の機能についての印象です。

(1)スケジュール
Touchの標準のスケジュール表は今ひとつですが、サードパーティの「さいすけ」や「Pocket Informant」 のようなサードパーティの独自アプリを使えば、綺麗な週間表示が利用できます。
しかし、残念なことに、独自アプリには全件検索が及ばないのです。理由は、標準スケジュールのデータ操作仕様が未公開のため、各社は独自データ形式を使用せざるをえないため、標準検索を利用できないようです。

独自データでもデータ入力では、Google Calendarに同期できますので、データの流用は効きます。(これについても、若干問題はありますが・・) アプリごとに検索機能もあります。ただ、アプリを超えて検索できてこそ便利なんですが・・。

私が少数派なんでしょうか。Palm時代から、約10年分のスケジュールデータやアドレスやメモを、パソコンやPalmに蓄積してきました。そのためPalmでは、いつ、どこで、誰と会ったのか、10年分がどこでも瞬時で検索できました。同時に、サードパーティのデータベースの検索結果も参照できたのです。検索の仕組みがオープンだったのでしょう。

ちなみに、iPod touchの検索でも標準スケジュールのデータなら全件検索の範囲内です。ただ、標準スケジュールアプリは、閲覧性に乏しく使う気にならず、独自アプリでは閲覧性は良好ながら横断検索に引っかからないというジレンマがあるのです。

あぁ、Apple社がカレンダーのデータ操作仕様を公開してくれれば!!!


(2)メモ
標準メモは全件検索にかかります。でも、ソートもフォルダ分けもできないので、使いづらいです。せめてフォルダ(カテゴリ)分けさえしてくれれば使い勝手が良いのですが、メモはあくまでメモ、簡易データベースとして考えないのでしょう。
サードパーティ製で、テキストファイルを閲覧できるものもあるんですが、やはり検索に引っかからないジレンマがあります。ただ、探せば標準データ使用するものがあるかもしれません。
また、Evernoteという、それだけで一つの世界をつくるソフトもあるようです。なかなか魅力的な匂いがします。


(3)データベース
まだ、未調査ですが、全件検索に適応したアプリは無いようですね。エクセルファイルや、テキストファイルなどを全件検索できれば、最高なのですが、ここまではかつてのPalmも直接にはできず、変換を必要としていました。


(4)メール
表示は綺麗なんですが、プッシュメールじゃないのが残念。電話じゃないtouchだから当然ですけど。でもiPhoneでも、標準以外のメールをプッシュで取ることはできないようです。


(5)その他機能
その他、と括れない程の多様性と可能性と刺激に満ちています。例えば、産経新聞アプリとか、各種ゲームとか、Mapとか、うっとりする程です。今まで上げた欠点も、最終的には、何らかの回答がでてくるんじゃないか、と思わせる雰囲気がこのシステムにはあります。
Web閲覧も素晴らしい!無線LAN環境下のみの試用ですから早いのは当然ですが、使いやすさにびっくりしました。iPhoneあれば、ノートパソコンでWebを見る必要性は激減するんじゃね?と思います。Willcom03の比じゃありません。
社内では、上で文句をつけたスケジュールアプリを用いず、必要に応じて、社内Webネット上のスケジュールを常時つないだSafari(Web閲覧ソフト)上で確認したりしましたが、十分実用的と感じました。


(6)インターフェース
見事に統一された美しいインターフェースを持っています。ただ、情報端末として考えると、私が古いのか、画面タッチだけでは、今ひとつしっくりいきません。キーボードまでは要求しませんが、せめて直接に機能を呼び出せるハードウェアボタンが、あと3つくらいあれば最高なのですが・・。
でも、これはアップルの哲学に真っ向から反するものですから、無理は言えませんね。その代わりに、最高の汎用機となれたわけですし。
また、Willcom03のもっさり反応と異なり、全体的にキビキビ動くのも好印象です。あくまでiPod Touchの印象ですが、新型iPhoneも早いらしいですね。


※総括
製品自体の魅力、ネットとのシームレスな融合性、そしてサードパーティが意欲的な製品を作る環境があること、これがiPod Touchの情報端末としての長所と感じました。ただ、現在はその整合性がとれておらず、Palm後継の情報閲覧端末としては、あきらめざるをえません。
もちろん、視点を変えて、データは全部クラウド側に置き、そこで共有と検索を実現する、という方法に切り替えれば、OKかもしれません。この方向性は、昔のPalmを遙かに凌駕しています。また、GoogleやEvernoteなどここの会社もはその方向に進んでいるようです。
ただ、私としては、現時点において、携帯端末でそこまで割り切るのは、まだ時期尚早と思っているわけです。携帯電話サービスとしてのソフトバンクの評判も考慮すると、iPhoneを購入することはないと思います。

もちろん、可能性を感じる刺激的な端末として、十分に魅力的です。iPod TouchやiPhoneファンの心情がよく理解できました。今後、現行Willcom03や、新型WindowsMobile端末やBlackberryとの比較となりますが、どれをメインにすえても、iPod Touchは常に手元に置いておきたい、そんな気にさせてくれる製品です。


新型iPod Touchが出たら買うぞ!
・・・もちろん、音楽プレーヤーとしては、Walkmanが一番ですけどね(^^;

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ソニーファンからみたiPod touch [情報端末]

前回の続きです。携帯情報端末をもとめて、初めてiPod touchに触れた生粋のクリエ&ウォークマンユーザーの印象です。皆さんには当たり前かもしれませんが、いやぁ、びっくりしました。

■第一印象「対ウォークマン:これは同じ範疇の製品じゃないでしょう」
歴代のネットワークウォークマンと、右端のtouch
まず、これはメディアプレーヤーではないでしょ。AVの占める割合は機能のごく一部じゃあないですか?ウォークマンは、機能のほぼすべてがAV関連ですよ。ウォークマンとiPod Touchの比較は、専用機と汎用機の立ち位置の違いで、無理があります。
専用機なるがゆえに、音楽プレーヤーとしてはウォークマンに軍配をあげたいですが、ここを語ると長くなるし、touchを入手した目的でもないので、やめておきます。(それでも、iPod付属イヤフォンはなんとかしろよ、とは思いましたが)



■第二印象「クリエ:これはクリエの正常進化形か?」
歴代のPALM端末と、右端のtouch. touchの薄いのに改めてびっくりしました。むかしのPalm Vなら勝てるかもしれないが・・・
昔、テレビで、素人投資家が偉そうに次のように語っていました。
「ソニーはクリエから撤退したので、これは不採算部門を切り捨てる勇気を持った会社に生まれ変わったと判断して、株を買いました」
番組では、それを好意的にとらえていましたが、それを見ていた私は憤慨したものです。その時は、ユーザーとして憤慨していましたが、今なら論理的にも論破できます。そうです、ソニーはクリエを切り捨てることによって、iPod touchや、iPhoneに先んじて市場を制覇する絶好の機会を失ったのです。携帯電話事業(ソニーエリクソン)まで持っていたのに・・。

もっとも、クリエを継続しても、気軽にiTunesやApp Storeで購入できる仕組みは、ソニーの体質では到達できなかった気もします。大企業ですから、小回りは効かないんですよね。部門の壁も厚いんでしょう。ただ、iPhoneやiPod touchにそれなりに肉薄できたかもしれません。ガンダムに対抗して、ギャンやゲルググ程度には迫ったかな、でも結局負けちゃうんですよね、アムロもといジョブズには(^^;


肝心の情報端末機能については、現在トライアル中です。今のところは、惜しいなぁ~という印象です。

失われたPALMをもとめて [情報端末]

iPod touch持ちとなりました。

ソニー教ウォークマン派の私ですが、宿敵iPod Touchを入手しました。一応、現行モデルの16Gです。
でも、目的は音楽を聴くことではなく、『PALM後継機を探す』ためです。

皆さんパーム(PALM)って知っていますか?

PALM V。初期のモノクロモデルですが、小型で美しいフォルムは今でも通用します。テキパキ動くんですよ10年前、日本でも局所的に一世を風靡した携帯情報端末(PDA)です。IBMへのOEM供給やSonyの互換機参入もあり、一部の熱烈なファンに支えられつつ、ライバルの純国産ザウルスや、ビルゲイツWindows系と互角以上に渡り合い、(PALMユーザーの見解では)勝者となりました。しかし、国内のPDA市場自体が縮小してしまったため、国内販売はソニーの撤退とともに4年前に終了し、いまでは語り継がれるだけの幻の存在となりました。

残された多くの民は、PALMの復活を待ちつつ、ディアスポラさながら全世界各地に散りました。ある者は旧式を修理しつつ、ある者は米国からPALM機を輸入し、ある者はWindowsMobile携帯に下り、私も、PALM、Workpad、Clie、PALM TXなど、乗り継いで、ついにウィルコムZero3シリーズに移行しました。


ユーザーがPDAに求めていたことは、宗派によって違うでしょうが、私は「一元化されデータをいつでもどこでも参照できること」でした。OUTLOOKやその他のアプリと同期してスケジュール/アドレス/メモや簡易データベースなどの最新版を持ち歩けることは、とても便利なことでした。

PALM後期の名機、クリエTH55 カラーの大液晶、壊れるまで使いました。この路線が続いていれば、iPhoneの先を行けたのではと、残念に思います。それに加え、PALMでは、ハードウェアボタンとタッチパネル液晶を利用してテキパキ軽快に動くこと。そして、全世界各地の愛好者が作成した素晴らしいアプリがたくさんあること、という魅力があり、ユーザーの支持を集めたと思います。

しかし、PALM機が日本市場から消えて4年経ち、PALM陣営の捲土重来を待つ(※米国ではPalm Pre という新型が登場したようです。docomoかauと契約してくれないかなぁ~))より、電話やネットとセットになった現行の情報端末を使う方が現実的に思えてきましたつまり、ザク~ゲルググの後継としてハイザックを待つより、手近のガンダムMkII、ということですね。(違う!)

繰り返しになりますが、従来から求めるのは次の3点。
 (1)データをパソコンと共有していつでも参照できること。横断して検索がしやすいこと。
 (2)様々なアプリが用意されており、追加することで機能が補完できること。
 (3)軽快にテキパキ動くこと。
それに、新たに電話ネット機として
 (4)電話&ネット機能として、優れた機能があるか?

今使っているWindowsMobile機のWZERO3では、OSの制約のせいか、(3)の軽快さが今ひとつです。(4)も速度と範囲の点で、PHSの限界があります。そのため、Palm後継候補として、(1)ソフトバンク陣営のiPhone3GS または (2)ドコモ陣営のBlackBerry Bold を研究しようと思ったわけです。

しかし、試しに回線契約するわけにもいきません。そこで、まず無線LAN環境下でiPhoneとほぼ同等の性能をもつ、iPod touchを試してみることとし、冒頭の「iPod Touch入手宣言」となりました。

これから、いじってみようと思います。比較は、旧型PALMおよび現行のWILLCOM03となります。
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