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Sony Readerの使い勝手、ハード編 [情報端末]

本好きな元ソニー信者なので、ソニーが昨年末に出した電子書籍端末ソニーリーダー(以下Sony Reader)は、すでに半年使っております。最初は6型(PRS-650)、2ヶ月後に5型(PRS-350)も買いそろえたという、信者っぷりです。(^_^;)

ここで、もっぱら移動中の読書、という視点でハード面の使用感を述べます。2台持っていることから判るように、私のような通勤読書派には、長所が短所を上回る、それなりにお勧めの製品です。iPad2も使っていますが、私の用途では、使用感でReaderが優ります。ただ、要所要所で、かつての物作りの精神がなくなっているソニーを垣間見ることができる寂しい製品でもあります。

2台そろい踏み。図版が読みにくいのがわかるでしょうか?2台そろい踏み。図版が読みにくいのがわかるでしょうか?







■総論
電子書籍リーダーのメリットは周知の通りです。何十冊も持ち歩ける、本の保管スペースが不要、家で本を購入できる、文字の大きさが変えられる、本がほんの少し安い、ページを押さえる必要がないので食べながら読書には最高、などなど、多様多彩です。


そんな中、幾つかのハードが発売されていますが、その中で、Sony Readerのハードの私の印象は、「読書へのハードルを、うまく下げている所と、少し高くしてしまった所が混在している微妙なハード」です。
読書習慣はけっこうメンタルなものなので、微妙な違いが大きく作用します。微妙な読みやすさが読書のモチベーションをあげ、わずか数十グラムの軽さが可搬性を大きく向上させ、ほんの数センチの小ささで周囲に違和感をあたえません。しかしその反面、たかが0.2秒の反応の遅さがイライラを増幅し、たった2クリックの手間がやる気を損ねます。ただ、微妙なところで、収支が黒字となっている、それがSony Readerなのです。


■ここが良い
・読みやすい。
電子ペーパーは、本物の紙より劣りますが、iPadのような液晶系より、違和感なく読めます。iPadが読みにくいとはいいませんが、ハードの小ささもあいまって、同じ本ならSonyReaderで読みたいです。この微妙な差が、読書習慣を大きく左右するんですよね。私がガラパゴスを選ばなかった理由でもあります。

・軽い、薄い
私の読書時間の多くは、通勤や移動時間が占めます。その点、軽いSonyReaderの5型なら、ちょっと鞄に放り込む、ということができます。私はそのためだけに、5型を買い増しした愚か者です。逆にiPad2を読書のために常に持ち歩こうとは思えません。ガラパゴスもあの厚さが今ひとつでした。

・目立たない
電車などでは、iPad2は目立つんですよね。SonyReaderなら、あまり他人の注意を引くことなく読書できる(と自分では思っています)。人目を気にしない方なら問題ないかもしれませんが、でも社会的空間のなかでは、変に目立たないこともマナーだと思います。


■ここが悪い
・反応速度が鈍い
ハード面における最大の欠点です。こみいった内容の本だと、読書中に前の内容を素早く確認したり、目次を見て自分の立ち位置を確認したりしたいのですが、それがSonyReaderでは上手くできません。すべてにおいて、ワンテンポ、ツーテンポ遅いのです。機能としては、いちおうあるんです。「目次」「以前のページに戻る」「履歴」とかね。でも、反応の鈍さから、使えないものになっています。

これに、画面の小ささ(一画面で見られる文字量の少なさ)もあいまって、俯瞰して本を把握することが難しい、という結果になります。このへんの、反応速度や画面の広さはiPad2に軍配があがります。

※「これからの正義の話をしよう」というサンデル氏の本を読んだとき、つくづく実感しました。この本は、具体例が細かすぎて、ともすれば「これが何のための具体例なのか」判らなくなるんですよね。SonyReaderとは相性の悪い本でした。

・本体アプリの使い勝手が悪い
本体には機能豊富です。必要な機能はほぼ揃っています。ただ、あまりにも使い勝手が悪いのです。アリバイ的に「必要な機能はついています」的な感じがします。それで、使うとなると、熟成されておらず、反応速度の遅さもあって、実際は全く実用的ではない、といった感じです。

例えば、前項でのべた、目次へのジャンプなど、機能はあるんです。しかし「内容が書いていない目次をみせられても無意味じゃん」。まあ、これは電子書籍化した人が悪いのかもしれませんが。
そのほか、メニュー画面や書籍の順番を自分で整理できない、使えない「辞書」、本のページモードがすぐリセットされる、など気になる点は多々あります。

要は、シンプルに読む以外の機能には期待するな、ということです。


■5型と6型の使い分け
当初、私は少しでも閲覧性を高めるために、最初は6型(650)を購入しました。その後、5型(350)を衝動買いし、今では5型がメインです。つまり、私の場合、可搬性がもっとも重要なポイントだったのです。ポケットに入る/入らない、の差は大きいですね。また、6型の閲覧性の良さも、画面の大きさだけで、反応速度の遅さは同じですし。
でも、家での読書や、長期出張時などは6型を使います。


■無線は必要か
私は気になりませんでした。
それは、私が、中身を確認せずに本を買うのはイヤだからかもしれません。自分の読んだ本を探して購入するならともかく、読んでもいない本を、内容を把握しにくい端末から購入するのは私の趣味ではありません。ここらが、電子書籍の最大の欠点といえます。もし、本屋で買いたい本を見つけ、端末から手軽に電子書籍のあるなしを確認して、端末から購入できるならば、使える機能となるでしょうが、そうなると本屋が迷惑でしょうしね。
新型ではWifi機能が付くようです。ソニーはアメリカでの販売運用経験があるし、Kindleもやっていることなので、大丈夫だとは思うのですが、この反応速度の遅さで、実用に堪えられるのか心配です。


■解像度が600x800と微妙な点
活字の書籍を読む分には問題ありません。困るのは、図版がある本です。多くの図版は、よく見てようやく判る程度で、本来の「一目でわかる」図版の目的を達成できず、見る気をおこさせません。ズームの機能はありますが、前述したようなおざなりのもので、使える機能ではありません。学術書の多くは、この点でSonyReaderには向いていないと思います。
コミックは、個人差があるでしょうが、私はダメです。6型であろうが、この解像度と反応速度では、読む気がおきません。ただ、私の目的はマンガではないので無問題ですが。
ソニーがソニーストアでコミックを売るからには、Reader以外の機械を出す責任があります・・って、今度のソニータブレット(Android)がその役目かな?


■最後に
冒頭に述べたように、私のように、移動時読書が多い人なら、Sony Readerはアリです。後継機も間近なSonyReaderですが、現行機と使用に大差はないようです。しかし、もし反応速度に大きく改善があれば、素晴らしいハードとなる可能性があります。
比べて、iPad2は家庭内読書には向いています。また、雑誌なら間違いなくiPad2の独壇場です。
シャープのガラパゴスは中途半端で、双方の短所を持っている気がしたので、購入する気はおきませんでした。だから、今のガラパゴスの苦境はなんとなく理解できます。


■補足
SonyReaderに限らず、電子書籍の最大の問題は「読める書籍がない」ことに尽きるのですが、これは電子書籍全般の、とてもデカイ問題のようなので、私の手に余ります。いったいどうなるのでしょう?


タグ:Sony Reader
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